Interview 銀座みもざ館

01 渋谷 洋路 Youji Shibuya [ 銀座みもざ館 ] オーナー

デパート催事の立役者たち-其の壱 「スイーツに熱い想いを込めてお客様へ伝えたい」

世界中の厳選されたブランドが集う銀座。旗艦店やデパ地下を中心に近年は「食」の激戦エリアでもあります。 この銀座に根を下ろして27年。今回は銀座みもざ館のオーナー渋谷氏に商品へのこだわりとお客様への想いを聞きました。

銀座で27年 世界中の一流が集う場所で

--銀座でお店を構えてどれくらいになりますか? 銀座に来てから27年になります。当初はプランタンの側で路面店を構えていたのですが、ビルの都合で立ち退きを余儀なくされました。その時、銀座を撤退しようと考えたこともありました。 --それでも銀座にお店を構え続けたんですね。 やはり「銀座」という場所にこだわりたいという想いがあったからです。銀座には世界中のブランドの旗艦店が並び、選び抜かれたものたちが集っています。食に関しても老舗が多く、伝統の味を提供し続けています。世界中で最高のものが集まり、切磋琢磨しているのが銀座という街なんです。この銀座という場所でお店を開き続けたいと思い、店舗を銀座4丁目に移して今に至ります。

商品開発のために店を3ヶ月休むことも

--とんがりチーズモンブランがすごい人気ですね。 ありがとうございます。催事販売は3年前から始めさせていただいたのですが、現在では4ライン同時にまわしています。楽天市場ではモンブラン部門で54週連続TOP10に入ることが出来ました。 --1ヶ月で10000個、1日最高800個も売れたそうですね。成功した秘密は何だと思いますか? 新しい商品の開発には店を3ヶ月間休むこともあります。身も心も集中させないとやはり「本物」は作れません。タルト、ホワイトチョコ、カスタードクリーム、スポンジ、そして生クリーム。何度も試行錯誤を繰り返して現在の商品が誕生しました。特にこだわったのはチーズです。

「本物」と「お客様志向」

--常に心がけていることは何かありますか? 「全てはお客様のために」ということです。世の中では数百種類、数千種類のモンブランが売られています。その中でお客様に選んで頂くには、「本物」であることはもちろん、お客様が本当に何を求めているかを常に考える必要があります。 --伝統に縛られるだけではないと。 27年というともう老舗と言えるかも知れませんが、伝統に縛られているだけでは時代から取り残されてしまいます。銀座のお店では最近、ワインバイキングや赤いハンバーグという新しい試みをしています。 --最後に、デパート催事への想いや今後の展望を教えて下さい。 まず、人柄のいい方とお仕事をしたいという思いがあります。催事が活性化するためには催事業者とデパート側の連携が欠かせないと思います。そしてもちろん、これからも新しい商品を投入して催事を盛り上げていきたいと思っています。 --本日はありがとうございました。

取材後記

銀座という「一流たちの激戦区」で長い間お店を構えてきた重みが、渋谷オーナーの言葉にはありました。銀座みもざ館はよくマスコミに取り上げられる人気店で、催事.JPの取材時にも、ちょうど某有名雑誌が取材に来ていました。今回の取材を通してあらためて感じたのは「催事販売」がリアル店舗(路面店など)とインターネットをつなぐ架け橋になるのではないかということです。 インターネットを通じた物販では家にいながらにして日本中のものが買えますが、食品にとって最も大切な「味」や「香り」を知ることが出来ません。一方のリアル店舗では、お店の側に住む人しか利用することが出来ません。催事販売は、日本中をまわりながら、もちろんリアル店舗と同じようにお客様に「味」や「香り」を楽しんでいただくことが出来ます。地方の需要を掘り起こし、デパートにイベント性という非日常感をもたらす。催事販売は実は今もっとも必要とされている販売チャネルなのかも知れません。

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